東慶寺から鎌倉市街地方面へ鎌倉街道を進むとJR横須賀線踏切の手前に浄智寺がある。臨済宗円覚寺派で山号は金宝山。鎌倉五山の第四位。本尊は阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒菩薩の三世仏。開山は大休正念、兀庵普寧(ごったんふねい)、南洲宏海。開基は北条師時。師時は鎌倉幕府執権。北条時宗の弟、宗政の子である。浄智寺はこの宗政の菩提を弔うために建立されたという。北条氏の外護のもと発展したらしく元亨3年(1323)の北条貞時十三年忌供養には建長寺・円覚寺・寿福寺に次ぐ224人の僧侶を出している。


本堂

 鎌倉幕府の滅亡後も足利氏の保護を受けた。至徳3年(1386)には、足利義満により鎌倉五山が制定された際、第四位についた。この後は小田原北条氏の保護を受けたものの次第に衰微し、江戸初期には荒廃、元禄16年(1703)には地震の被害を受けた。文化7年(1810)頃から伽藍の再建などが行われた。明治以降は円覚寺の境外塔頭のような扱いであったらしい。現在の寺観は総門、山門、仏殿、庫裏などである。境内は国の史跡。また境内の置くには甘露の井、門前には甘露水がある。



珍しい鐘楼門

撮影日:2012年1月
鎌倉市山ノ内
(鎌倉郡山之内村)


位置

参考文献

(ジャパンナレッジ版)『日本歴史地名大系』、平凡社
(ジャパンナレッジ版)『国史大辞典』、吉川弘文館

2012/02/02 UP
2017/07/30 CSS改修
▲非表示