湘南モノレール湘南深沢駅近くにある寺は、臨済宗円覚寺派の霊照山大慶寺である。開山は、大休正念(仏源禅師)。本尊の釈迦如来像に本願檀那長井光禄と記されている。創建は弘安年間(1278〜1287)とされる。現在は、住宅街の中にある小さな寺だが、鎌倉時代はかなり大きかったと見え、円覚寺の大川道通、傑翁是英(けつおうぜえい)などの高僧が寺に入り、北条貞時の13回忌供養にも83人の僧侶が出席するなどしている。塔頭も五つあったとされるが、戦国期に寺は廃絶。唯一残った塔頭の方外庵が現在の大慶寺である。付近には、「ひげつ」、「かっけん」、「てんだい」、「だいどう」などのかつての塔頭の名前や「かねつきどう」など寺の建物の名前がそのまま地名として残っているとされる。本堂には本尊釈迦如来像(永禄10年、1567)、仏師快円銘)の他、大休正念像がある。


大慶寺
撮影日:2004年9月22日
鎌倉市寺分1丁目
(鎌倉郡寺分村)

山門 本堂 境内 入り口

位置

参考文献

『かまくら子ども風土記(改訂十版)中』、鎌倉市教育委員会、1991年
白井永二『鎌倉辞典』、東京堂出版、1992年
奥富敬之『鎌倉史跡事典コンパクト版』、新人物往来社、1999年
『鎌倉の寺』、かまくら春秋社、2001年

2010/11/26 UP(画像差し替え予定)
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