大町四つ角から名越に向かって少し行くと別願寺がある。時宗でもと藤沢清浄光寺の末寺。山号は稲荷山。正式には超世院別願寺。もとは能成寺(のうじょうじ)という真言宗の寺だったが、後に住持が時宗に帰依して、弘安5年(1282)に別願寺になったと伝えられている。室町時代には足利一族が深く信仰をし、代々の鎌倉公方の菩提寺となった。その後は江戸時代から次第に衰え、現在は簡素な寺である。境内には珍しい扉のある鳥居が浮き彫りにされた石造の宝塔があり、足利持氏の供養塔と伝えられる。本尊は阿弥陀三尊。他に魚藍観音がある。
別願寺の本堂