佐助の小さな谷にあるのは佐助稲荷神社である。祭神は宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)、大巳貴命(おなむちのみこと)、佐田彦命(さたひこのみこと)、大宮女命(おおみやひめのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)。創建など詳しいことは一切不明であるが、次のような伝説がある。むかし、伊豆に流されていた頼朝が病に倒れていたとき、夢枕に老人があらわれ病の治る方法を教え、挙兵を勧めたという。頼朝は老人の言われたとおりにし、病を治し、挙兵をすると源平合戦は源氏の勝利となった。老人は頼朝に隠れ里の稲荷であると言ったので、鎌倉開府後、頼朝がこの地に稲荷を祀ったのだという。「佐助」の由来は、むかし頼朝が「前右兵衛佐殿」であったので、「佐」が「助けられた」ので佐助と呼ぶようになったと言われている。文献の記録には「佐介」の地名はあるものの「佐助稲荷」は出てこないが、社伝では頼朝が建久年間 (1190〜99)に修理をしていると伝えている。


佐助稲荷
撮影日:2012年1月
鎌倉市佐助
(鎌倉郡扇ヶ谷村)

参道沿いには里宮がある。 里宮 里宮から続く参道 入口 参道
赤い鳥居が並ぶ 鳥居 鳥居 石段 拝殿前の鳥居
鳥居と拝殿 拝殿 拝殿前から後ろを振り返る 拝殿 境内
拝殿裏にある本殿 本殿 本殿前から拝殿を見る 境内 境内には石祠と狐の置物が並ぶ

       
石祠        

位置

参考文献

『かまくら子ども風土記(中)(改訂十版)』、鎌倉市教育委員会、1991年
吉田茂穂『鎌倉の神社』、かまくら春秋社、2002年

2012/02/04 UP
2015/01/17 CSS改修