寿福寺山門の左隣にあるのは八坂神社である。正式には八坂大神。もとは相馬天王(そうまてんのう)といい牛頭天王(ごずてんのう)を祭神とした。明治の神仏分離令で八坂神社となり、祭神は素戔雄命(すさのおのみこと)、桓武天皇、葛原親王(かずらわらしんのう)、高望王(たかもちおう)となった。正式には八坂大神(やさかだいじん)という。扇ガ谷の鎮守。例祭は七月十二日。相馬師常の勧請により、巽荒神のあたりにあったが、後に泉ヶ谷の網引地蔵山に移り、さらに寿福寺本堂脇、そして現在地に移ったという。相馬師常は頼朝の重臣、千葉常胤(ちばつねたね)の子。相馬氏を継ぎ、頼朝挙兵の際に父とともにこれを助けた。相馬天王の神輿は昔、鉄でこしらえてあったが、祭りの日にはかならず事故が起こり、危険なため木のものにしたという。この神輿は六角形で京都の祇園社(八坂神社)と同じ形だという。境内には「元神輿之碑」がある。境内社に子神社(ねのじんじゃ)がある。また銭洗弁天は、この神社の境内末社である。


八坂神社

撮影日:2009年12月17日
鎌倉市扇ガ谷1丁目
(鎌倉郡扇ヶ谷村)

境内 鳥居 境内 社殿 子神社
境内 社殿 神輿庫 境内

位置


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参考文献

『鎌倉市史』社寺編、吉川弘文館、1954年
『かまくら子ども風土記(上)(改訂十版)』、鎌倉市教育委員会、1991年
吉田茂穂『鎌倉の神社』、かまくら春秋社、2002年

2010/11/23 UP
2010/11/26 追記
2014/08/27 CSSページに改修