円覚寺の境内を奥へ進み、正続院の入り口を通り過ぎると塔頭の一つの仏日庵がある。円覚寺の開基である鎌倉幕府8代執権北条時宗の塔所。また9代執権で子の貞時、孫で14代執権の高時も合葬されている。開基廟には時宗、貞時、高時の像がある。本尊は本堂にあり、地蔵菩薩。


仏日庵

 北条時宗は、建長3年(1251)に北条時頼と葛西殿(連署・北条重時の娘)との間に安達氏の甘縄の邸宅にて生まれた。異母兄(時輔)がいたものの、嫡男は時宗であり、彼は生まれながらの執権であり、得宗であった。文永元年(1264)、14歳にて連署に就任、北条政村の補佐のもと幕政に携わるようになり、蒙古襲来の危機が現実味を帯び始めた文永5年(1268)に執権に就任した。この間、文永9年(1272)に兄時輔らを排除(二月騒動)し、政権基盤を盤石にすると、その後の文永11年(1274)の文永の役と、弘安4年(1281)の弘安の役と二回に渡る元の襲来に対処し、また幕府政治の面では得宗専制への道筋をつけた。弘安7年(1284)4月に出家し、死去。法名は宝光寺殿(ほうこうじどの)道杲(どうこう)。
 北条氏滅亡後、荒廃したが、鶴穏周音(かくいんしゅうおん)が再興した。境内では抹茶をいただくこともできる。

撮影日:2017年11月3日
鎌倉市山ノ内

 
仏日庵前 開基廟 境内 開基廟 開基廟
山門

位置

参考文献

『鎌倉市史』社寺編(吉川弘文館、1954年) 『鎌倉の寺』(かまくら春秋社、2001年)
『鎌倉古社寺辞典』(吉川弘文館、2011年)

2017/11/03 UP
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