散在ガ池にほど近い今泉の静かな里にあるのは白山神社である。祭神は、菊理姫之命(くくりのひめのみこと)。例祭は9月18日以降の日曜日。社伝によると建久2年(1191)の源頼朝による創建だという。もともとは毘沙門堂と呼ばれ、頼朝上洛の際に賜った鞍馬寺の行基作と伝えられる兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)を本尊にしていたという。この毘沙門天は、社宝として現存していて平安時代の作である。別当寺であった今泉寺は明治の神仏分離令により白山神社との合祀、明月院との合併のあと、昭和57年(1982)に独立し、今は白山神社の傍らに存在する。


今泉の白山神社

鎌倉市今泉
(鎌倉郡今泉村)

       

位置

参考文献

『かまくら子ども風土記(改訂十版)』、鎌倉市教育委員会、1991年
白井永二『鎌倉辞典』、東京堂出版、1992年
奥富敬之『鎌倉史跡事典コンパクト版』、新人物往来社、1999年
吉田茂穂『鎌倉の神社』、かまくら春秋社、2002年

2010/11/28 UP(画像差し替え予定)
2012/09/02 UP